ちるりのメモ帳

ちるり(@chil_imc)の長文投稿用ブログです。

「あいしてるってことだよ」〜斉藤壮馬「We are in bloom!」東京公演感想

2021/5/22、23に東京ガーデンシアターにて斉藤壮馬Live Tour 2021「We are in bloom!」東京公演が開催されました。

私は初日は現地にて、2日目は配信で参加しました。

壮馬さんは2018年10月に朗読劇で拝見した以来、実に2.5年ぶりの壮馬さん、しかも今回は「アーティスト」としての壮馬さん。壮馬さんの音楽が大好きで、好き過ぎて壮馬さんが好きだと言っていたアーティストもチェックしているほどでしたので、ついに生で「斉藤壮馬」の音楽を生で感じることができ、本当に最高の時間でした。

 

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会場周辺には思い思いのミントグリーン、くすみグリーンのアイテムを身につけた方がたくさん。壮馬さんのイメージカラーは緑、そして今回のライブのアイテムもミントグリーンのものが多く、皆さん本当にこの日を楽しみにしていたのだなあと、端で皆さんの様子を眺めつつ、開場を待ちながら、しみじみと感じていました。

ちなみに私もミントグリーンのネイルとネックレス、ストールを身につけ参戦しました!

 

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シアターのロビーでは壮馬さんの楽曲が、会場内では壮馬さんセレクトの楽曲がBGMとして流れていて、BGMはどれもオシャレでセンスがよく、壮馬さんの好みを感じられるものでした。

実はライブにむけて壮馬さんの楽曲をいくつかstand.fmで話していたのですが、フォロワーさんが「パレット」を聞いてくださり、話している間に「my bloody valentine(マイブラ)」の「loveless」というアルバムを勧めてくださったので聞いていて、「めちゃくちゃかっこよ!!」と思っていたのですが、18時頃からマイブラの「when you sleep」がBGMで流れ始め驚いていたら、その後にラジオで聞いて「かっこよ!」と思っていたスマッシング・パンプキンズの「Tonight, Tonight」が流れ、テンションが爆上がりしていたところでライブが始まるという、個人的とんでも展開でした。やはり壮馬さんとは音楽の趣味が合う。

 

1曲目の「フィッシュストーリー」からのドラムのリズムで「Summerholic!かな…?」と思っていたら、壮馬さんの「シュレディンガー・ガール!!」という宣言から、死ぬほど聞いていた、大好きな「シュレディンガー・ガール」のイントロが始まり、ただでさえ上がっていたテンションがもはや行方不明。アルバム「in bloom」内で最もお気に入りで、あのかっこよくもどこか懐かしさを感じるギターの音と、Bメロのドラムが特に大好きで、2日目に配信で見ていた時には画面の前で踊り狂っていました。

壮馬さんの色気と哀愁のある歌声が歌詞の世界とマッチしていて、かっこいいけどどこか切なさを感じる、やはり素晴らしい曲でした。

からのノータイムで「デート」へ移行する流れが完璧でした…。私が壮馬さんの音楽のセンスに脱帽したのはこの「デート」を聞いたからだったため、ただでさえ吹っ飛んでいたテンションがさらに遠くへ。この曲の表情豊かな歌声はやはりさすが声優。さらに表情や動きでこの曲の世界へより引き込んでくれました。

 


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MCを挟んだのち、日替わりの「光は水のよう」/「夜明けはまだ」、からの「ペトリコール」。オシャレでゆらゆらふわふわした独特なリズムに乗っていると、自分の心までゆらゆらしてしまいました。

 


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「Vampire Weekend」は壮馬さんの色気が爆発。これは配信で見た時にとても挑発的な表情がよく見れて大変良かったです。チャカチャカ鳴るギターのかっこよさと言ったら。最後に後ろのスクリーンに映っていたお屋敷の扉が開き、壮馬さんが手を差し伸べて終わる演出で、まるで壮馬さん演じるヴァンパイアの屋敷に引きずり込まれて終わるようでした。

この流れで「林檎」は完全に「やられたー!!」という流れでした。EP「my blue vacation」の中でも特にダークで壮馬さんの歌声がセクシーな曲だったので、アートアクアリウムのような映像をバックに「ああ もう おしまいよ」と歌う壮馬さんの美しさに惚れ惚れとしてしまいました。

 

再度MCの後、壮馬さんもギターを持って「memento」〜「エピローグ」〜「パレット」〜「いさな」。

「memento」はバンドサウンドをメインにストリングスの音も入っていて、サビに入った瞬間に空間が広がるような壮大さが、とても音を浴びていて気持ち良かったです。

 


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ここから「エピローグ」へ。「memento」で「さあ行こうぜ どこまでも最高のハッピーエンドだね」と締め括ってからの「エピローグ」。一旦の終末と、この先への希望がほのかに見えたところで終わるこの曲の雰囲気が大好きで、この曲は思わず現地ではペンライトを膝に置いて聞き入っていました。

間奏後の「さあ黄昏のファンファーレだ」から最後の流れが特に好きで、ライブでは照明の演出もとても良く、光に包まれたような気持ちでした…。

 


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「パレット」からは特に2日目は壮馬さんも感情が爆発していて、非常にエモーショナルな歌と演奏でしたね。CDでも「この思いよ届いてくれ」と歌っているようでとても良かったのですが、ライブでは最初の叫びから始まり、より感情が乗っていて、「恋慕」というよりもっと大きな感情を抱えているようでした。音は強いけれどノスタルジックで切なさを感じる曲調に乗る壮馬さんの叫びは、心をグッと掴まれて、ちょっと苦しくもなるようでした。

 


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本編最後の「いさな」。もともと音源自体8分超で大変長い曲なのですが、長さを全く感じない曲構成が素晴らしい曲です。私もとても好きで、ライブで聴くのを正直1番楽しみにしていた曲でした。

雄大な流れのような音楽に身を委ねるのが大好きで、現地では体に響く重低音が心地よく、思わず目を閉じて音を耳と体で感じてしまう瞬間があったほど、音を感じる楽しさを教えてくれました。もはや合言葉となった「ゆーあーいんぶるーむ あいしてるってことだよ」と繰り返し歌うのを聞きながら、流れの中を揺蕩うような感覚は、とても心があたたかくなりました。

2日目では後奏で雄叫びを上げ、両膝をステージにつきながらもひたすらにかき鳴らす壮馬さんのギターに合わせて、バンドメンバーの演奏も盛り上がってくるのが最高にライブならではで、見ているこちらも気持ちが曲に乗っていって、自分もこの曲から感じる流れの一部になるような、不思議な力がありました。

おそらく演奏時間は10分ほどあったと思いますが、最後はSakuさんのギターをハウリングさせ(フィードバック奏法というそうですが)、その中壮馬さんは自分のギターを置いてステージから去っていくのがとってもクールで最高にかっこよかったです。オルタナティヴとシューゲイザーを愛する斉藤壮馬さんの作り出す空間の一旦の締めとして、これ以上ない終わらせ方だったと思います。「いさな」で「声優アーティスト・斉藤壮馬」というか、「ロックスター・斉藤壮馬」の誕生を見たような気がします。

 

そんな本編が終了し、私は「いさな」の余韻を引きずったまま、いざアンコールが始まると、ノリの良いリズムに合わせてタンバリンを持って陽気にステージに現れる壮馬さんを見て、思わず「さっきステージの真ん中でギター弾いていた人と同一人物か…??」と目を疑いました。でもこのリズムはとっても楽しい「Summerholic!」で、私もすぐノリノリで手を叩いていました!現地ではペンライトで、配信ではハイボールで乾杯しましたよ。バンドメンバーの皆様も大変ノリノリ。キーボードの重永さんがこの曲はギターを持っていて、誰よりもノリノリで弾いていらしたのがとてもかわいかったです。

 


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ラス2はアルバム「in bloom」の1曲目だった「carpool」。アルバムの「始まり」だった曲ですが、穏やかだけれどどこか切なさのあるメロディと音が、ライブの「終わり」へと向かう曲としてもぴったりでしたね。「水平線の先なんて〜あの時言えなかったな」で胸がキュッとなりますね。こういうセトリの中で聴くと、これからちょっと聴き方が変わりそうです。こういうところがライブは面白いですよね。

 


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そして最後には挨拶の後、「最後の花火」。「in bloom」のアルバムツアーとして、アルバムと同様の締め方をしました。ちょっとゆるっとした雰囲気が素敵で、「ベテルギウスのようなエンド 悪くないね」という歌詞が印象的な曲ですが、「さよならはまだ 次にとっておくよ」と(壮馬さんにしては)明るい終わり方をするので、ライブが終わってしまう寂しさもありつつ、MCでも壮馬さんが「次」ということをとても前向きに話していらっしゃったので、きっとまたこの空間に帰ってこれるのだろうという希望を持って会場を後にすることができました。

 

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メジャーレーベルかつかなり有名な声優アーティストの割に、アニメタイアップは1曲のみ、というちょっと変わった立ち位置にいるような気もする壮馬さんですが、壮馬さんの最大の魅力はやはり壮馬さんが描く世界が曲として形になって、私たちに届けられていることような気がしています。最近の傾向としてアニメタイアップとなると、どうしてもその作品の要素が入り込んでくるのですが、私の感覚としては、このまま独自の世界を描いてほしいなと思っています。まあ壮馬さんなら上手く取り入れて曲も作れるのだろうとは思いますが…。

壮馬さんの作る各曲の世界が出来上がっていて、音楽の地盤もロックをメインに圧倒的なインプットがありしっかりしていて、生み出されてくる曲たちのセンスも非常に良いからこそ、声優ファンだけでなく、今ではロックファンすらも魅了しているのだと思います(フォロワーさんから「in bloom」リリース時に音楽ファンの間でも話題になっていたとお聞きしました)。

幼い頃から洋楽ロックを聞いて育ち、中学〜高校時代には一日中FMラジオを聞いていた私は、壮馬さんのライブを見て、私の根底はアニメや声優さんというよりは音楽のオタクであることを正直認めざるを得ませんでした。

もし壮馬さんが気になっていて、ロック好き、特にオルタナティヴが好きな方には是非見ていただきたいライブです。配信のアーカイブが5/30まであります。ライブ自体は2時間ないですが、非常に曲も演奏も質が高いおかげで、満足度がとても高かったです。

 

アーティストとして多くの楽曲を生み出し、演奏中は様々な表情を見せたり、感情を歌声に乗せたりして多くの人を魅了する力を持つ壮馬さんですが、喋りだすと途端にキュートな面が出てきたり、ギターのシールドの長さと格闘していたり、最後の最後に噛んでしまったりするのも、表現者としてだけでなく、「斉藤壮馬」という人間が多くの人から愛される理由なのでしょう。ギャップとはずるいものです。

 

私も壮馬さんはFCに入るほど大好きだったのですが、何だかどうしても気が引ける部分があって、正直会場についても若干のアウェー感が拭いきれなかったのですが、ライブを見たらそんなこと関係なく、私はもっとこの人の生み出すものを受け取りたいなと、強く思うことができました。

 

新曲を作っているとのことでしたし、次のライブも本当に楽しみにしています。

「あいしてるってことだよ」ーーーーーー!!!!