ちるりのメモ帳

ちるり(@chil_imc)の長文投稿用ブログです。

優しくてあたたかな夜空の旅。~渕上舞3rdLIVE「星空」感想~

2021年4月24日、中野サンプラザにて、渕上舞3rd LIVE「星空」が開催されました。

私にとっては14ヶ月ぶりのライブ現地。

 

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翌日から緊急事態宣言ということになり、会場周辺のライブ前独特の高揚感やにぎやかさもほとんど無く、客席に入っている人数も半分以下。私の隣は前の方というのもあってか、左右3席ずつ空いていました。

 

徐々に自然音のSEが入り、ついに開演。

「おやすみのワルツ」の最後を歌ってから

「おやすみ世界。また明日。」

という舞さんの言葉から始まりました。

この言葉は1st LIVEの最後と同じで、私は諸事情あって2ndには参加することができなかったので、その瞬間に1stの記憶がフラッシュバックしました。優しいバラードを聞きながら、「また舞さんのライブに来れた」という喜びと感動に震えました。

 

今回のテーマは直近に出たアルバムのタイトルであり、ライブのタイトルでもある「星空」。

舞さんのアルバムやライブは毎回コンセプトが非常にはっきりしていて、その世界を旅することができます。

ペンライトも星型で、舞さんのイメージカラーである青と一緒に振るとそれは綺麗な星空になっていたと思います。前の方だったのでそれを確認することができなかったのは嬉しい悲鳴というものでしょうか。

 

そんなまさに「夜」を作り上げてからの「Rainbow Planet」。


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TVアニメ「プラネット・ウィズ」のEDテーマのため、おそらくPlanet=惑星とついた曲が生まれていたのは偶然だとは思いますが、今回のライブにはピッタリの盛り上がる曲。

個人的にいわゆる舞さんの「強い」曲の中では一番好きだったので、聞けてとても嬉しかったです!舞さんの美しいファルセットと力強い歌声、どちらも堪能できる本多友紀さん曲は最高なのです。

2番Bメロの変わり方が大好きで、生で聞けてよかったあ……。

 

今回のライブで個人的に特筆したいエリアは「Blue Moon」〜「部屋の窓から見る花火」〜「Meteor」のゾーン。

「Blue Moon」はTVアニメ「蒼き鋼のアルペジオ」から誕生した、舞さんも参加した伝説のユニット「Trident」のカバー。

私は「Trident」解散後に舞さんに本気になったので、まさかここで聴けるとは思わず、イントロが聞こえてきた時には本気で動揺しました。私も本当にお気に入りの曲で、舞さんの美しい高音と共に生で、存分に堪能することができ、最高の時間でした。

 

「部屋の窓から見る花火」はおそらく恋人と自宅の窓から花火を見る、日常の幸せを歌うゆったりとしたナンバー。花火が上がるのは夜空なので、納得の選曲です。

舞さんの後ろのモニターに花火が上がる綺麗な演出と、舞さんの柔らかく優しい歌声が本当に最高!状況が状況なだけに、皆さん着席して見ていましたが、おかげでゆっくり曲の世界に浸ることができました。舞さんの真価はこういうミディアムナンバーに出てくると思っているので、もっともっと歌っていただきたいですね。

 

そして「Meteor」。今回のアルバムに収録されている楽曲で、こちらは「今は」独り身の女性が、Meteor=流れ星を見上げ、ただただ日々は過ぎていくけれど、「明日も頑張ろう」とベランダから星空を見上げながら静かに思う、そんな楽曲です。

歌い出しは舞さんのアカペラです。がっつり歌い上げているわけではないのにグッと曲に引き込む力と、美しいビブラートがとても印象的でした。

 

冬の夜のピンと張った空気と、切なさ、毎日の仕事に心の余裕が無くなっていたこと……。

曲の情景が浮かぶ中、

 

今日もね、がんばった

  

足りないものだけを

数える癖はまだある

それでもあの頃よりも

まぁ、強くなれたね

  

明日も、がんばろう

 

と歌うところでホロホロと泣いてしまいました。

私はこの「Meteor」の主人公に共感してしまうので、そんな彼女が「明日も、がんばろう」と思うなら、私も明日からも頑張ろうかな、と、ちょっと明日を前向きに思えたのです。舞さんの歌がそんな曲の主人公の気持ちを伝えてくれているようで、心に染み入りました。さすが声優でありアーティストである方だと、とても感動しました。

派手な曲ではありませんが、舞さんの「歌力」を感じる時間でした。

 

その後衣装チェンジがあり、「バレンタイン・ハンター」と「QT Show」ではトップスはピンク、ボトムスは白いフワフワでかわいいウサギさんみたいだ〜と思っていたところ、その後はなんと、トップスがお腹が見える仕様かつ真っ白な衣装に!!

鍛えられた美しい体に見惚れながら、真っ白な衣装に身を包んでの「Dive Into Emotion」のしなやかで力強いダンスに、まるで白鳥のようだと感じました。 さらに「操り人形クーデター」では操り人形と化したダンサーさんを妖艶な笑みで操る舞さん……。MVさながらの不気味さやダークな雰囲気に引き込まれてしまいました。

 

そして、なんと言っても本編最後の「星空」。


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私のTwitterを見ている方はご存知かもしれませんが、私はこの曲がとにかく好きです。

ひたすら終わらない仕事と人間関係の変化、待てども待てども続く、コロナによる多くのイベントの延期。様々なことが重なっていた時期にこの曲を聞いて、舞さんの歌声やご本人による歌詞、メロディ、印象的なストリングスやギターの音色に包み込まれるようなあたたかさを感じ、心をグッと締めつけていた鎖が緩まったような感覚がしました。 

「私はこの曲を生で聞いて耐え切れるのだろうか?」

と思いながらライブまでの日々を過ごしていたのですが、結論から言うと、

 

耐え切れませんでした。号泣ものでした。

星のペンライトを胸に抱えて、曲が始まってからどんどん胸と目頭が熱くなっていくのを感じて、動けませんでした。

 

抱えきれなくて荷物を

そっと下ろすけど

忘れないよ

 

ゆらりゆられ身を任せ

潮風に吹かれながら

当たり前のように

夜明けを待つ

 

許されるのなら

もう少しだけ見てみたいよ

夢の続き

 

目の前にいる舞さんが大好きな一節が歌ってくれる度に胸がいっぱいになり、私の涙腺は間奏のギターあたりから決壊し、アンコール待ちの間まで泣いていました。

初めて聞いたときに感じたものよりも何倍もあるあたたかさと、日々の辛いことが昇華していくような感覚に、私はただただ身を委ねて曲に包まれていました。

 

最後の

 

(Shooting star in the sky.)

ねぇ今夜は

(Shooting star in the sky.)

叶いますように

 

のところで舞さんの手元に光の粒が降りてきて、「叶いますように」という言葉と一緒にまた光を天に返す演出が、まるで舞さんが皆の願いをその光に込めて、「叶いますように」と夜空へ向けて願ってくれているようで、そこで「このライブにきてよかった」とまたさらに泣いてしまいました。

 

この曲について、歌う前に舞さんは

「人生で取捨選択が上手くできたらもっと生きやすいのに、難しい」

「明日死ぬかもしれないけど、生きてる確率の方がずっと高いから」

「抱えきれなくなった時に置いていくものもあるけど、置いてきたことを忘れないでいるのも人生を豊かにするのかなと思う」

(記憶による要約)

と話していましたが、こういうところに私含め舞さんのファンたちがよく

「人生に生きづらさを感じている人たちにこそ、舞さんの曲を聞いて欲しい」

と言う理由が出ているなと、今回のライブを通して感じていた「あたたかさ」の根底はここにあるのかなと感じました。

 

そしてアンコールでは一転して「夏!!」「ハッピー!!」という楽しいオーラに溢れた幸せ空間でした。

追想Colors」を歌ってくれたのが個人的に大変嬉しかったです!ジャズっぽい雰囲気の、ホーンがメインのとっても大人なオシャレソング。「舞さんこういう曲絶対似合うよな〜」と思っていたので、ライブで聞けるのをとても楽しみにしていた曲の1つでした。この曲のベースの音が大変えっ……セクシーでしたので音源としても聞きたいですね(とほぼこのままツイートしたらベース担当のご本人からいいねが来て、もう少し言葉を選ぶべきだったと反省しました。後悔はしていません)。

 

 

ここまで自分が特に印象的だった部分をピックアップして語ってきましたが、舞さんのライブはコンセプトがしっかりしているので、じっくり曲の世界に浸ることができるなと感じました。さらに今回は2曲あったカバー曲も、どちらも「星空」というコンセプトにしっかり沿ったチョイスをしていて、カバー曲もセットリストから浮くこともなく、舞さんが作り上げた世界にしっかりと馴染んでいました。それどころかよりその気分を高めてくれました。

そして舞さんが今まで「声優」として歌ってきた曲を、アーティストとしてのライブでも歌うことで、舞さんは「声優」で「アーティスト」であること、舞さんの役や曲たちへの「愛」を感じることもできました。

 

 

舞さんはご自身のラジオ等で

「嫌ならやめちゃえばいい」

「頑張るのが嫌」

と時々言ってはいるけど、進化する歌と全身での表現、難易度が上がっているダンス、鍛えられた身体……等々を見て、

「普段はああ言ってるけど舞さんも頑張ってんだよなあ。私もちょっと頑張ろうかなあ」

とライブ後の電車の中で思ったのです。

舞さんはよく

「みんなのアイドル、渕上舞だよ〜♡」

とよく挨拶をしますが、この方は間違いなく私のアイドルなのだと、改めて思いました。

 

そして8月1日にアコースティックライブ第2弾の発表もあり、とても楽しみです!

前回はオンラインでのみの開催でしたが、舞さんの曲たちはとてもアコースティックサウンドとの相性が良かったですし、今回は有観客ということもあり、何とか現地でじっくり曲に浸りたいですね。

 

これからもたくさん舞さんの歌を聞けますように……。

 

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……余談ではありますが。

久しぶりのライブに心踊らせながら当日のお洋服や靴を考えたり、「『星空』のMVの白ドレスが素敵だったから、白のネイルにしよう」と考えてイメージ通りのマニキュアを探して前日に塗ったり、「テーマが『星空』だからメイクもキラキラにしようかなあ」なんて考えたりする時間もとても楽しかったです。

当日会場で感じるものももちろん、当日までワクワクすることも、今こうして過去のライブを流しながら感想をまとめて書いているのも、全てがとても楽しく、私にとって大切な時間なのだなと再認識しています。

この日々が再び当たり前になることを強く願っています。

 

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