生ぬるい生き方が心地良い。- 光と暗さの共存 Part.4~ハラ・ヒラ・フワリ~
こんにちは。ちるりです。
お仕事がだいぶ忙しかったため、放置してしまっておりましたが…。
放っておくにはもったいない!と思い、1本書かせていただきます。
Twitterを見ていたり、「渕上舞のとりあえずまぁ、話だけでも。」を聞いている方はご存知かもしれませんが、
先日「渕上舞さんの書いた歌詞について」というメールテーマでMVPをいただきました。
メールでは「雪に咲く花。蜃気楼。」について書かせていただきましたが、MVP記念で「ハラ・ヒラ・フワリ」の一節を舞さんご自身で書かれたプレゼントをいただきました。嬉しい。
というわけで、今回のテーマは「ハラ・ヒラ・フワリ」。シングル「Crossing Road」のカップリング曲。
和な音が鳴りつつ、R&B調になっており、とても綺麗な曲です。
しかし、やはり歌詞です。
サビ頭。
「『愛してる』の言葉なんて安いもんです
聞き飽きました」
そして
「生ぬるい生き方が心地良い」
と、投げやりというか、諦めというか、そういった気持ちが歌われています。
もう少し歌詞を掘り下げると、1番で「夢幻(ゆめうつつ)」、2番で「泡沫」と漢字2文字の美しくも儚さのある単語を織り交ぜながら、愛した相手、幸せな時間が目の前で消えていくような切なさを語っているようです。
しかし、テンポが遅いわけではなく、音数も多くないので、スッと耳に入ってくるのです。
2番から入ってくるバイオリンも舞さんと一緒に歌っているようで素敵で、最後の歌終わりから入ってくるアコギのソロもとても柔らかいです。
どんよりとした気持ちを抱えたままの歌の主人公に、周りで鳴っている楽器たちが寄り添っているようで、歌詞の内容の割にあったかさを感じる曲です。
歌詞だけ読んでいると、とても後ろ向きというか、前を向くことを諦めているようですが、美しく優しい曲に乗ることで、私が元気なときにはこの季節が終われば、この主人公は前に向けるのかなぁ、なんて思うこともあり、私が辛いときには、分かるなぁ、悲しいよなぁ、なんて思うこともあり。
なかなかこういった言葉のチョイスをできる方もめったにいないと思うので、舞さんの紡ぐ言葉たちは独特……と思いつつ、前に進んでいくことに疲れてしまった時に染みてくるんですよね。
寒い日の中にぽつんと現れた、ちょっと温かく天気の良い日の、でもマフラーとコートは無いと肌寒いような、そんな感覚を覚える曲です。
明るい曲や歌詞中にちょっぴり切なさ、という曲をチョイスして語ってきましたが、この「ハラ・ヒラ・フワリ」は、暗い歌詞に明るい/優しい曲が乗ることで、暗さをより感じつつ、でもどこか一筋の光も感じなくもない、絶妙なバランスの曲。
個人的にも渕上舞さんの曲の中でトップクラスにお気に入りです。
明るい曲を聞くこと、前を向くことに疲れてしまった方に、ぜひ。